2018年4月29日 美味しいお米作り ③蒸し込み編
蒸し込み編
種蒔き・蒸し込みは同日に行います。
種蒔きが終わって軽トラックに積み込んだ育苗箱をビニールハウスに移動させます。
画像1枚目
このビニールハウスの中で苗を蒸し込みます。
このビニールハウスは普段皆様が目にするビニールハウスの上に“寒冷紗(かんれいしゃ)”と呼ばれる黒いシートを被せています。
寒冷紗は製品の種類によって遮光率が違います。
この寒冷紗は遮光率90%だったと思います(正確な遮光率は覚えてません(汗)なんせもう10年以上前に親父が購入したものなので)
日差しを90%遮ってくれるということですね。
画像2枚目
苗を置く前に下にビニールを敷いて、その上に藁(わら)で編んだ筵(むしろ)を敷いてそれをビニールで挟みます。
その上に苗を置くための土台を置きます。
画像3枚目
その土台の上に苗を並べます。
11段積み重ねてその上に空の育苗箱を1枚載せます。
上にも蒸し込み用のビニールをかけるので覆土が落ちないようにするためと、水分が蒸発して乾きすぎないようにするためです。
ずっと中腰で重いものを扱うのでこの作業が結構しんどいです(笑)
画像4枚目~6枚目
積み終わって上のビニールをかけます。
1枚目がパスライトと言う不織布のようなものでできた薄いシートです。
その上に藁の筵を隙間なく置き、その上からビニールで苗をスッポリくるんでしまいます。
何重にもかけたビニールや筵は一度上がった温度が冷めないようにする為です。
そして、下に敷いているビニールとの間にも隙間ができないように下のビニールも巻き込みます。
これで完全密閉の苗箱サウナの出来上がりです!
この状態で、苗箱サウナに日差しが当たるように外のビニールハウスの寒冷紗を一時的にめくっておきます。
そしてビニールハウス自体も密閉して天気や外気温、夜の温度にもよりますが3日~5日ほど放置します。
この時、苗箱サウナ内の温度は40℃~45℃前後になっているとの予想です(笑)
正確な温度は測定したことがありません(笑)
画像7枚目
3日後・・・出ました!!
発芽しましたー!!
育苗箱は11段に重ねていますが、それでもしっかりと下の方の苗箱も発芽してます。
上の苗の重みにも負けずに、ちゃんと芽を出してくれました(涙)
画像8枚目と9枚目
一番上の段の写真とその拡大写真です。
お米の苗の芽・・・触った感触は結構固いです!
しなやかさがないのであまり強く触ると折れてしまいそうな感じがします。
例えるならお店などの入口の前に敷かれている緑色のマットが新品の時のような感触ですかね(笑)
蒸し込み作業はこれでおしまいです。
植物全般に関していつもいつも不思議に思うことがあります。
どの植物にしても芽を出す方向を間違わないと言うことです。
当たり前って言ってしまえば当たり前なのですが、このお米の苗にしても地面の中に蒔かれた種にしても、きちんと上(お日様の方向)に向かって芽を出します。
真っ暗な土の中で、みんな体の向きはバラバラなのに芽を出す方向は全部一緒なんです。
これってスゴいですよね!
動物のように脳があるわけでもなく、機械のような物も付いていない。
なのにちゃんと上に向かって芽を出すんです!!
芽を出した後は“向日性”と言ってお日様の方向に向かって伸びていくのは知っているのですが、芽を出す前の段階で芽を出す方向を間違わないのは凄いと言うか、神秘的と言いますか・・・植物ってすごいですね。
ちゃんとした“生き物”なんですね。